西野です
2013年6月2日に東京南町田のテニスクラブでのイベントで、こうせい君と初めて会いました。
http://npo-blacksox.blogspot.jp/2013/06/20130602.html
先日、そのクラブのコーチから「こうせい君がジュニアテニススクールに入ってくれた」と連絡がありました。
いろいろ考えていたのですが、こうせい君がテニスを始めてくれるのが嬉しく、
これを書くことに決めました。
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こうせい君へ、同じような境遇の子ども達へ、プロテニスプレイヤー西野耕太郎より
こうせい君は生まれつき右手の指が4本しかなく、
そのうち親指に当たる指は細く関節もなく力が入らないようでした。
左手は着ていた半袖のシャツから出てこないほどの長さでした。
こうせい君は勇気を出してテニスコートに来てくれました。
二人でどのようにすると「痛くないか」「うまくいきそうか」相談しながら、ラケットを握りました。
上手に打てるようになってきた順番待ちの時、そこにいた発達障がいの女の子が、
こうせい君に「もう片方の手をシャツから出しなよ」と言いました。
その子は、こうせい君の手のことを知りませんでした。
周りの大人は凍りつきました。こうせい君の顔が曇ったのを見ました。
僕たちが出来たのは「順番だ」と言って、こうせい君をその場所から離すことだけでした。
外に出ると「悔しいこと」「悲しいこと」がたくさんあります。
でも、それ以上にたくさんの「楽しいこと」「嬉しいこと」が必ずあります。
テニスは絶対に楽しいです。いろいろな人にも会えます。
テニスをしてるうちに一緒に笑ってくれて、助けてくれる友達も必ずできます。
イベントが終わり、皆が帰る中
こうせい君のご両親から「どうやってテニスをしたらいいか?」
コーチから「こうせい君がスクールに入ったらどういう事を気を付けた方がいいか?」
こうせい君のお母さんを誘ってくれた近所の方から「周りはどう支えるべきか?」
発達障がいの女の子のお母さんから「あの時、私はどうすればよかったのでしょう?」
など相談されました。
みんな、こうせい君が気になるのです。楽しくテニスをして欲しいのです。
勇気を出してコートに来てくれて、本当にありがとう。
僕がラケットを支えて持っていた時、ボールが来ると自分からしっかりとラケットを握っていました。
こうせい君の「テニスがしたい」という力強い意思が、僕はとても嬉しかった。
たくさん練習をしておいてください。
友達をたくさん作っておいてください。
みんなでテニスをしましょう!!!
では、近いうちに
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西野耕太郎は二度プロテニスプレイヤーとして登録をしています。
一度目は全く勝てなかった現役時代、そしてトーナメントを諦め登録を抹消しました。
二度目はBLACKSOXを創った時から現在まで。
BLACKSOXには二人のプロテニスプレイヤーがいます。
僕と村田智志です。
村田智志に「プロ登録をしよう」と話すと「恥ずかしい」と。
彼は僕と違い、ジュニアのころからトップクラスで戦って来ました。
岩淵聡・鈴木貴夫あたりと同期です。
「プロというのは彼らのように賞金で食べているヤツラのことだと思います」と。
僕は二回目のプロ登録の際に
「全ての人達にテニスのプレイを楽しんでもらうプロになる」
と考えました。
村田にその話しをしたら、翌週には彼はプロ申請していました。
彼の「恥ずかしい」と言う気持ちとは別の西野なりの「恥ずかしい」があります。
最近Blog・FacebookなどでBLACKSOXの活動を書いています。
多くの人から褒めてもらえます。
どこか恥ずかしいです。「いい人ぶってる、自分はそんないいヤツじゃないんだけど」と。
もう西野の個人的なBlog・Facebookは書けなくなりました。
西野の中の【何か】が
「恥ずかしがらずに書け」
「きっと、こうせい君のような子ども達につながる」
「外に出て来てテニスをするきっかけになる」
と言ってます。
以上です。
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